Cyber Lily Diary

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クラウドセキュリティエンジニアが語ります。

【投資考察】(3922)PR TIMESの今後の株価を予想する【テクニカル分析】

f:id:irisfelt:20210227122301p:plain (3922)PR TIMESの株価を日足チャートに基づくテクニカル視点で観測し、これまでの短期的な価格推移を分析すると共に、今後の投資戦略を検討します。

※本記事はあくまで個人的な認識を文字におこしただけのものであり、読者への助言や売買の推奨を意図するものではありません。投資判断は全て自己責任でお願いします。

 

結論(簡潔に)

中期的にダウントレンドと考えます。200日移動平均線は依然として上向きですが、好決算の割りに買い圧力が弱く、出来高が伸びません。3000円のサポートラインで反発する可能性がありますが、現時点では下方向のモメンタムが強く、買いポジションを持っている方は、ポジションの整理を検討しても良いと考えます。

企業概要

会社名 PR TIMES
市場 東証
企業コード 3922
業種 情報・通信業
時価総額(億円) 434.0
発行式株式数(株) 13,457,200
PER(倍) 38.7
信用倍率(倍) 13.66
テーマ 情報配信 IR マーケティング SNS フェイスブック ブログ 広告 RPA IPO支援 
概要 プレスリリース配信サイト「PR TIMES」運営。動画など関連サービスも。ベクトルの傘下。

※情報は2021年2月27日時点のものになります。

考察の時系列

コロナ禍が始まって以来、好決算を連発して個人投資家から注目を集めています。もともとここは「少ない出来高でジワジワ伸びていく」銘柄でしたが、2020年末から「好決算の発表→ストップ高→利益確定売り」という流れが始まっています。SNSで広く認知され、多くの個人投資家が参入していると考えられます。

2020年11月末時点で、好決算を受けてのストップ高からの利益確定売りにより、株価は決算発表前の水準に戻してきました。この時点ではコロナ禍の継続を受けて次の決算も良いことは目に見えており、決算発表日に向けた期待上げが期待できました。

2020年1月12日、経常利益を83%上方修正・最高益予想を上乗せという爆絶決算を出してきます。これを受けて翌日の株価は大きなGUからの陽線となります。

ちなみに筆者は完全にこの銘柄の存在を失念しており、この株価の成長にキャッチアップしたのは1月25日でした。結果論ですが、上記のツイートは下記の画像の青丸時点でのものであり、過剰な期待を含む市場コンセンサスが形成される前の、絶好の仕込み時であったことが分かりました。

ここから利益確定売りと材料出尽くしにから連続して陰線をつけ、2月2日に直近のGUの窓埋めを完了させます。MACDは下向き、かつ短期MAが中期MAに対してDCしているとはいえ、長期MAをサポートラインとして反発しているように見え、短期的な買い時に見えます。

結果としてこの分析は当たっており、翌日6%の大幅高となります。なお筆者はここでもエントリーしておらず、利益を逃しました。

その後も株価は上昇しますが4000円で頭打ちとなり、また出来高も減少し、3800円のサポートラインの周辺で軟調に推移する展開となります。上に行くか下に行くか決めかねている状態であり、打診買いを一枚入れるならここ、というタイミングです。

結果として、ここからは下方向のトレンドを形成し始めました。市場全体的な地合いの悪さもあり、一気に長期移動平均線を下抜けします。3000円台のサポートラインは個人投資家が多く参入してくる前の水準であり、チャートだけ見ると、短期的にはここでの反発が期待できます。

しかしながら、決算内容の良さに対する売り圧力の強さがどうにもしっくり来ず、信用残高を確認してみたところ、2021年に入ってから、信用買い残・売り算ともに大きく増加していることが分かりました。2021年1月20に貸借銘柄に指定されており、空売り勢が参入していることが分かりました。

prtimes.jp

今後の株価推移の予想

短期~中期的に、軟調に推移すると予測します。大きく下がることはあっても、短期的に大きく上がることはないでしょう。なぜなら、下記の3点の事象から、短期~中期的な下降トレンドに入っていると考えられるためです。(下記は全て日足チャート参照)

  1. 2020年11月以降機能していた中期移動平均線のサポートを明確に割り込んだ
  2. 出来高が少ない日が続いており、買い圧力がない
  3. MACD・RSIともに下方向のモメンタムを示唆している

まとめと今後のポジション戦略

今は特に仕掛けず、今後の動向を経過観察すべき時期と考えます。なぜなら、下記の3点の不確定要素から、今後の株価推移の予測が非常に難しいためです。

  1. 貸借銘柄に指定された→空売り勢が参入しており需給・流動性が変化し始めた
  2. コロナワクチンが流通し始めている→ここはコロナ禍を追い風として利益を伸ばした企業であり、アフターコロナの世界においても同水準の成長率を維持できるかが不明
  3. 好決算を連発したゆえに、既に市場からの期待値が相当高くなっており、コンセンサスを上回る成長を実現できるかが不明

強いて言えば、200日移動平均線を目標とした短期的な売りが有効かもしれません。しかしながら、しっかりと好決算を出している企業であり、次の決算内容と見通しによっては、再び上昇トレンドに移行する可能性があります。

従って、直近で大きな材料が出るか、あるいは次の決算が発表され今後の長期的な見通しが明かされるまでは、リスクに対する利益を期待することは難しく、経過観察すべき時期と考えます。